シャンパンの定義は?
日本でのシャンパンとは発泡ワインを総じて指されることも多いですが、 フランスのAOC法を尊重するならば「シャンパーニュ産の発泡ワイン」だけが、 シャンパンと名乗ることを認められています。 シャンパンの定義は、1919年にアペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ (原産地呼称統制)法、略称AOCによって定められた定義に基づきます。 それによればシャンパーニュ地方でつくられた8つのブドウ品種、 ピノ・ノワール(PinotNoir)、シャルドネ(Chardonnay)、 ピノ・ムニエ(PinotMeunier)アルバンヌ(Arbanne)、プティ・メリエ (PetitMeslier)、ピノ(Pinot)系の全てを材料として醸造された 発泡性ワインのことです。 シャルドネが指定品種の中に含まれていないのは、AOCに指定された当時は ブドウ品種の分類に関する研究があまり進んでおらず、シャルドネはピノ系の ブドウと思われていたためです。 またAOCが制定された当時、フランスにおいてもシャンパーニュ地方以外で シャンパンという名前で発泡性ワインが生産されていました。 シャンパンとは発泡性ワインの一般名称でもあったため、 現在でもカリフォルニア産の発泡性ワインはカリフォルニア・シャンパン という呼称でつくられています。 日本でもシャンパンに似せて作られた清涼飲料水を「ソフトシャンパン」と 名付けて販売していた時期がありますがフランス政府からの抗議があり、 シャンメリーという名称に変更されました。 シャンパンと呼ばれるものは産地と原料、製法が限定されますが、 シャンパーニュ以外の地方で作られた発泡ワインも合わせて その総称をヴァンムスー(VinMousseux)と呼ばれます。 フランスのシャンパーニュ委員会では、シャンパンの正式名称として 「シャンパーニュ」を推奨しています。 ですが日本ではすでに「シャンパン」が定着しており、フランス語の音韻にも 近いことから従来通り「シャンパン」と呼ばれます。